2010年に突如日本語ラップシーンに現れた”LBとOtowa“。 同年立て続けに様々なフリーダウンロード作品を発表、2011年3月7日には既に7,000回以上ダウンロードされたというモンスター無料配信アルバム”Fresh Box“をリリースする。 “LBとOtowa”の今後の動きを含め、”日本語ラップシーンのキーマン”である”ときチェケ“の”微熱王子“が”LBとOtowa”、そして彼らを全面サポートする”サムライコスメチック”に独占インタビュー!!
—”LBとOtowa”名義でドロップされたミックステープ”Fresh Box(β)“や、JPRAP.COMの企画でリリースされた”The Se7en Deadly Sins“、90年代のUSマイナー曲のリミックスシリーズ”Rebuild“などなど、ここのところLB・Otowa・サムライコスメチックの名前が目に留まるようになってきました。これまでの活動の中でも、3人はYouTubeの楽曲やBetter Halvesのリミックスコンテストで名前が広がってきていて、注目している人は少なからずいたラッパー/プロデューサチームだったわけですけど、その情報のほとんどはネット上のTwitterやブログに限定されていて、これまでの活動の経緯や背景を知っている人はほとんどいないと思います。
まずは3人が一緒に曲をつくるようになるまでのいきさつを聞きたいのですが。
まずは3人が一緒に曲をつくるようになるまでのいきさつを聞きたいのですが。
サムライコスメチック(以下サムライ):元々、趣味の延長でビートメイクをしていて、知り合いのラッパーへビートを提供するようなこともあったのですけど、素人に毛が生えた程度の活動でした。でも2年くらい前にMySpaceの存在を知って、ビート制作にはじめてやりがいを感じはじめて、MySpaceにデモトラックをアップするようになったんです。当時はとにかく自分のスキルを上げたかったので、自分の音楽性に近いビートメイカーをMySpaceで探していて、数多くあるプロフィールのなか、ひとり別格でカッコ良いビートをアップしていたのがOtowaさんだったんです。そこで、私からOtowaさんへコンタクトを取りました。
—Otowaさんのビートのどんなところにひっかかったんでしょうか?
サムライ:音の緻密さとグルーヴが完成されているところですね。ビートの完成度の高さから、恐らく20代後半でビート制作歴は最低でも3年くらいだろうと予想していたのですが、年齢が(当時)21歳でビート制作期間がまだ1年弱と聞いて驚いたのを今でも覚えています。
—LBさんとの出会いは?
Otowa:LBさんからMySpaceでコンタクトをもらったんですけど、彼のラップを最初聴いた時、本当に天才だと思ったんですよ。LBさんの自主制作アルバムを聴いて「すごい」って心から思いました。言葉のチョイスも新しくて、グルーヴも緩急のつけかたなんかも神がかっている。LBさんの曲をラップに興味のない人に聴かせまくっていたんですけど、そこからは早かったです。
—MySpaceにアップしていたデモトラックに惹かれ合って3人が繋がっていったんですね。ちなみに、LBさんは、良いビートを探しているうちにOtowaさんに行き着いたということですか。
LB:新潟県で活動を続けるうちに、地方で活動することに限界を感じるようになりました。いま考えれば自分にも力不足な部分はたくさんあったんですけど、小さいシーンの中でアーティスト同士の馴れ合いが進んで刺激もなくなってしまったので、身を引いて一人孤立するように動いていました。
それとは別に感じていたのがトラックメイカーの少なさです。自分のやりたい音楽に近い音を作れる人が少なかったのと、人数が少ないから一人のトラックメイカーに需要が集中して新潟のシーンに同じトラックメイカーの音源ばかり出回っていてそこにフレッシュさを感じなくなっていました。そこで、次回作では新潟県外のアーティストにトラックを依頼しようと思いついて、MySpaceで自分のやりたい音に近いアーティストを探して、メッセージを送りました。その中の一人がOtowa君だったんです。
それとは別に感じていたのがトラックメイカーの少なさです。自分のやりたい音楽に近い音を作れる人が少なかったのと、人数が少ないから一人のトラックメイカーに需要が集中して新潟のシーンに同じトラックメイカーの音源ばかり出回っていてそこにフレッシュさを感じなくなっていました。そこで、次回作では新潟県外のアーティストにトラックを依頼しようと思いついて、MySpaceで自分のやりたい音に近いアーティストを探して、メッセージを送りました。その中の一人がOtowa君だったんです。
—LBさん達の楽曲って、”チーム感”が前面に出ているところも特徴的だと私は考えているんです。例えば、ラップで遊びをするにしても、KLOOZの”LIKE A GAME“みたいなラップのゲームをするだとか、Cherry Brownのアニメネタのようにヒップホップリスナー以外の範囲も伝わるようなネタをテーマに曲をつくっているのではない。寧ろ、LBとOtowa、サムライコスメチックというチームのなかでのネタをイジって曲を作っていますよね。
LB:基本的に僕は自宅に居ることが多いので、Otowa君が要害温泉行ったり、華厳の滝にいったり、サムライさんが廃墟を散策したりする話をフレッシュに感じるんですよ(笑) 実際、Otowa君もサムライさんもどこかに行ってリフレッシュして帰ってくると、その次の日にはヤバいビートを送ってくるんです。なのでその時のノリを忘れないようにリミックス名はそのまま行った名所の名前になっていたり、イントロで電話の冒頭の内容をそのまま再現してRECしていたりしています。この内輪ネタ感は日記みたいなものですね。
サムライ:発信する音源は面白い事をしようっていうのが前提にあります。”カッコ良いものや特定のメッセージを伝える”ということよりも、面白くて楽しいものを作る事を優先させているので、それが”遊び”に繋がっているんだと思います。
音源の中でのギャップって非常に重要だと思うんです。Otowaさんの作る先鋭的なビートに、ちょっとチャラケたLBさんのラップが乗っていたり、その逆でポップなビートの上でシリアスなラップをしていたり。マスにアピールする為にマスに向けた作品は従来どれも似たような作りだったけど、その枠からハズれたギャップを上手く演出するようなアプローチがフレッシュだと思うんです。
音源の中でのギャップって非常に重要だと思うんです。Otowaさんの作る先鋭的なビートに、ちょっとチャラケたLBさんのラップが乗っていたり、その逆でポップなビートの上でシリアスなラップをしていたり。マスにアピールする為にマスに向けた作品は従来どれも似たような作りだったけど、その枠からハズれたギャップを上手く演出するようなアプローチがフレッシュだと思うんです。
LB:ただ、いままでの内輪感はやっている規模が実際に内輪に過ぎなかったからかも知れないとは思いますね。正直、”Fresh Box(β)“があそこまでダウンロードされると思っていませんでしたし、いままでのフリー配信曲は自分とってラップの練習に過ぎなかったのでそこまでリスナーを意識していませんでした。
フリー配信の楽曲を作るとき、僕はリリックを書き直したりトピックで深く悩んだりはしません。あくまでもフリーなので。この直感的な感覚が、”遊び”に繋がって、リリックに関しては身内ネタになってしまった…それだけですね。
フリー配信の楽曲を作るとき、僕はリリックを書き直したりトピックで深く悩んだりはしません。あくまでもフリーなので。この直感的な感覚が、”遊び”に繋がって、リリックに関しては身内ネタになってしまった…それだけですね。
—なるほど。でも、JPRAP.COM管理人のbenzeezyさんがYouTubeのコメント欄に残す”dope.”という単語をOtowaさんのBETTER HALVES REMIXコンテスト優勝を絡めてネタにしてしまった”Otowa is dope.“みたいな曲には”LBとOtowa”独特の発想力を感じます。
LBとOtowa “Otowa is dope.”
LBとOtowa “Otowa is dope.”
LB:BETTER HALVES REMIXコンテストには優勝するつもりで挑んだのですけど、残念ながら落選してしまい凹みました。でも、Otowa君は優勝……本当に羨ましかったですね。”Otowa is dope.”はOtowa君に対するヘイトソングです。
—優勝のお祝いソングではなくて、ヘイトソングですか。
LB:ラッパーって良くも悪くも”自分が一番的”なスタンスが多いと思うんですけど、自分の場合はあくまでも落選したので「出しゃばらないで下手に出るスタンスで行こう」と思って、制作しました。
いや、でも冗談抜きにOtowa君は本当にヤバいと思うんですよ。この優勝をきっかけに改めてすごいヤツとコンビ組んでるんだなと思ったし、自分のキャリアを再開するキッカケになったOtowa君に”優勝”という肩書きが出来たのは単純に嬉しかったので、Otowa君への感謝と賞賛の気持ちも曲に込めました。
いや、でも冗談抜きにOtowa君は本当にヤバいと思うんですよ。この優勝をきっかけに改めてすごいヤツとコンビ組んでるんだなと思ったし、自分のキャリアを再開するキッカケになったOtowa君に”優勝”という肩書きが出来たのは単純に嬉しかったので、Otowa君への感謝と賞賛の気持ちも曲に込めました。
—あとは、”Fresh Box(β)“に収録されている”3 Kings”。この曲では「自分1人だけではなくて、3人分のスポットライトが必要だ」というテーマでラップしている、LB・Otowa・サムライコスメチックの”チーム”をレペゼンする曲でした。その一方で、”Fresh Box(β)“に収録されている楽曲を聴いていると「LBさんのラップをよりカッコ良く聴かせるためのエディットが多用されている」という点が特に気になったんです。ただビートを作ってそれにラップをのっけるだけでなく、ビートとラップを上手くエディットして溶け込ませて耳あたりを良くしている。だから、”3 Kings”を聴いたときに、ラップだけでもビートだけでもない、”チームで作りこんだミックステープの曲”というテーマにしっくり来たんです。
LB:ラップのエディットは今回”Fresh Box(β)“で一番妥協しなかった部分です。ラップとビートがカッコいいのが前提だとしても、他の作品と差別化をはかるには他になにか必要だと感じていました。いま日本で売っている作品やフリーダウンロード曲を見渡しても、自分が聴いた限りではラップのエディットにこだわっている作品がなかったので。そこで、「自分がやってみよう」と思ってエディットで遊びまくったんです。どうせ入れるなら一カ所二箇所だとスルーされてしまうので、耳に残るくらい沢山組み込んで、最終的に3人でウザすぎる部分を消していきました。
こういったところを含めて、”Fresh Box(β)“では”チーム感”を全面に出しています。去年(2010年)の7月の時点では”LBとOtowa”は結成していなかったし、全員が無名でした。”3Kings”を制作しているときにいままでの動きを振り返って「仮にチームの誰かがいなかったらどうなっていただろう?」とふと思ったんですよね。色々思い返したんですがやはり誰が欠けてもここまで来るのは絶対に無理だった。もともとMySpaceでやり取りしていた別々の県に住んでいた三人が今こうやって一緒に音楽をやっていること自体が奇跡だと思います。僕の音楽は絶対に一人では完成できないので、これからもこういったチーム感を全面に押し出した動きは続けていきます。
こういったところを含めて、”Fresh Box(β)“では”チーム感”を全面に出しています。去年(2010年)の7月の時点では”LBとOtowa”は結成していなかったし、全員が無名でした。”3Kings”を制作しているときにいままでの動きを振り返って「仮にチームの誰かがいなかったらどうなっていただろう?」とふと思ったんですよね。色々思い返したんですがやはり誰が欠けてもここまで来るのは絶対に無理だった。もともとMySpaceでやり取りしていた別々の県に住んでいた三人が今こうやって一緒に音楽をやっていること自体が奇跡だと思います。僕の音楽は絶対に一人では完成できないので、これからもこういったチーム感を全面に押し出した動きは続けていきます。
—サムライコスメチックさんの”Rebuild”シリーズでもラップへエディットを加えて原曲の感触を変えていたり、”Walk This Way(要害Remix)“でRhymesterのメンバーの中で違和感なくLBさんがラップしているようなギミックを聴いていたので、LBさん主導でエディットを行っていたというのはとても意外ですね。
RHYMESTER “Walk This Way (要害 Remix) feat. LBとOtowa”
RHYMESTER “Walk This Way (要害 Remix) feat. LBとOtowa”
LB:エディットは色々な作り方でやってきました。一番多いパターンはリリックを書きながらエディットの箇所を考えるやり方ですね。リリックを書く時に頭の中の完成品に近づけていくような書き方をしているので、小節を空けたり詰めたりするラップのコントロールはリリックを書く行為の一部に入っています。あとは自分のアイディアに合わせてビートを抜いたりチョップして遊んでいます。
もちろんエディットに関しては僕だけが優れているのではなく、サムライさんやOtowa君も素晴らしい感覚を持っているので、”Fresh Box(β)“の最終確認はみんなで意見を出し合いました。
もちろんエディットに関しては僕だけが優れているのではなく、サムライさんやOtowa君も素晴らしい感覚を持っているので、”Fresh Box(β)“の最終確認はみんなで意見を出し合いました。
サムライ:エディットの足りない部分や、逆に不要な部分を皆で検討して、またスタジオで改めてエディット。この一連の作業を日数をまたいで何度も繰り返していましたね。エディットとビートがぶつかるようであれば、ビートの方に手を入れるのもザラでした。普通であればここまでこだわる必要も無いのでしょうけど、LBさんの言うとおり、他と差別化をはかる上での重要なポイントがまさにこの”エディット面”でした。
いまのヘッズはたくさんのフリー曲をチェックしていて耳が肥えているので、ラップとビートがカッコ良くなければならないのは大前提で、それにどれだけ付加価値を付けれるかの勝負になってきます。自分も世に出回るフリー曲を聴きまくりましたが、エディットの部分にこだわっている作品は無かったので、ここに力を注げばフレッシュな感触を打ち出せるのは明白でした。LBさんは本当にウザいくらいこだわっていましたよ。「もういいだろ!」ってくらい。
いまのヘッズはたくさんのフリー曲をチェックしていて耳が肥えているので、ラップとビートがカッコ良くなければならないのは大前提で、それにどれだけ付加価値を付けれるかの勝負になってきます。自分も世に出回るフリー曲を聴きまくりましたが、エディットの部分にこだわっている作品は無かったので、ここに力を注げばフレッシュな感触を打ち出せるのは明白でした。LBさんは本当にウザいくらいこだわっていましたよ。「もういいだろ!」ってくらい。
Otowa:ちなみに、”Walk This Way(要害Remix)”の曲中で違和感なくLBさんがラップしているようなギミックは完全にLBさんのスキルです。LBさんはそのままでもスキルが高いのに、エディットにこだわっていたのが新鮮でしたね。
サムライ:エディットが過ぎると、逆にリリックが聴きづらくなるというデメリットもあるんですけど、それでもフレッシュさを出せる事や、コストが掛かっている感じをヘッズに伝えられるのでエディットに重点を置きました。今回の”Fresh Box(β)“の制作目標の一つが”フリーの壁を越える”というもので「フリーだから妥協してもいいや」といういうんじゃなく、逆に「これフリーでいいの?」って言われるようなアルバムを作る意気込みで制作に取り掛かっていたんです。
—「エディットが過ぎると、逆にリリックが聴きづらくなるというデメリット」は確かに感じました。「リリックをあまり深堀りせず、直感的に書いている」というような話もありましたけど、ラッパーとしてリリックを聴かせたいというエゴは誰しも持っているものだと思うんですよ。そこを取らず、あまりスキルを誇示しているような感じでもないところが興味深かかったです。
LB:デメリットは承知でエディットを増やしています。リリックよりも聴こえを重視したことによって、賛否が別れるというのもわかっていましたけど、それでも新しい何かを提示したかったんです。色々な人に「あれをフリーで出すのはどうなの?」とか「フリーで出す意味って何?」とよく訊かれるんですけど、僕やOtowa君にとっては次の販売やディールにつなげる1つのステップに過ぎないんですよ。ただ2人でサクサク作ってフリーのうちにやりたかったことを実験的に挑戦しておきたかっただけです。販売することになったとしたらもう少しラップの聴き取り易さを追求していきます。
リリック重視な曲も素晴らしいと思いますけど、トラック選びやフロウ、エディットにこだわりを感じない作品が多いと感じていたので、今回の”Fresh Box(β)“はリリックよりも、「こういうエディット面を重視した作品が増えたらヒップホップが面白くなるよなぁ」という感覚で制作しました。聴いてフィールしたのなら是非パクって欲しいですね。
リリック重視な曲も素晴らしいと思いますけど、トラック選びやフロウ、エディットにこだわりを感じない作品が多いと感じていたので、今回の”Fresh Box(β)“はリリックよりも、「こういうエディット面を重視した作品が増えたらヒップホップが面白くなるよなぁ」という感覚で制作しました。聴いてフィールしたのなら是非パクって欲しいですね。
—今後リリックに力を入れていくようなことは考えていますか?
LB:ラッパーとして「リスナーへメッセージを伝えていきたい」という気持ちは勿論あります。次の作品ではそういう部分にも力を入れて行こうと思っています。ただ、僕のフリーの作品の”軽さ”は個性でもあると思うので、上手く使い分けて行きたいですね。あと、有料の作品とフリー曲の差は今後付けていくつもりです。
—あと、さきほど「次の販売やディールにつなげる」と言っていましたけど、実際日本でヒップホップを売って成功するというのはかなりハードルが高いことだと思うんですが…。
LB:確かにかなりハードルが高いですね。というか、いまの僕たちの動きでは無理だと思います。自分にとってヒップホップは生活の一部だと思っているので、たとえ音楽一本でなくても続けていきたいとは思っていますけど、やっぱりヒップホップで生活したいという気持ちは強いです。もちろんポップフィールドでの成功は狙っています。狙っていると言ってもコレに関してなにか計画している訳ではないんですけど……とにかく百人規模のマーケットでおさめるつもりはないですね。
“Fresh Box(β)“で色々実験出来たし反響も沢山頂いたので、それを踏まえて次の作品を今までの配信ペースを落とさずにリリースを続けていきたいです。次回作がどうなるかで動きは全く変わってしまうので、まだ将来的なビジョンは見えていないのが正直なところですけど、色々な企画を考えているの一つ一つを丁寧かつスピーディーにこなしてくだけですね。その先に”ヒップホップで生活”があればいいなと考えています。
“Fresh Box(β)“で色々実験出来たし反響も沢山頂いたので、それを踏まえて次の作品を今までの配信ペースを落とさずにリリースを続けていきたいです。次回作がどうなるかで動きは全く変わってしまうので、まだ将来的なビジョンは見えていないのが正直なところですけど、色々な企画を考えているの一つ一つを丁寧かつスピーディーにこなしてくだけですね。その先に”ヒップホップで生活”があればいいなと考えています。
サムライ:音楽不況と言われている中でヒップホップ一本で食べていく事がかなり厳しいのは充分理解していますし、LBさんやOtowaさんのような才能が、私には無いのも自覚しています。ひとまず、周りにいるプッシュしていきたいラッパーのサポートやプロジェクトをしっかりこなしていきたいですね。
—自分達のことより、周りのアーティストをサポートしていくということですか?
サムライ:ちょっとクサイかもしれないですけど、アマチュアで活動している無名のアーティストにも希望を与えられるようになりたいです。少し前まで全く無名だった自分達でも、しっかりとした音源を出して的確に動いていれば、真っ当な評価をもらえるということも証明できました。本当にまだまだこれからなんですけど、誰かが”LBとOtowa”みたいなやり方もあるんだと選択肢の一つに入れて貰えると嬉しいですし、LBさんが言っていたようにどんどん”LBとOtowa”のフォーマットをパクって欲しい。メンバーに困っていたら、YouTubeやMySpaceには才能あるビートメイカーやラッパーがたくさん眠っているし、Dr.PAPを利用するのも一つの手です。私達だってプロモーションの95%がTwitter と YouTubeだけだし特別な事は一切していません。
AKLOさん、KLOOZさん、Cherry Brownさん、SKY-HIさんのようにシーンを掻き回すアーティストがもっと増えなければいけない。シーン全体に体力がついて活気づいた時にはじめて、ヒップホップで生活できるアーティストが増えてくるんじゃないかと思うんです。
AKLOさん、KLOOZさん、Cherry Brownさん、SKY-HIさんのようにシーンを掻き回すアーティストがもっと増えなければいけない。シーン全体に体力がついて活気づいた時にはじめて、ヒップホップで生活できるアーティストが増えてくるんじゃないかと思うんです。
—Otowaさんは”LBとOtowa”の活動を通して、次の目標やステップをイメージできています?
Otowa:次の作品も含めて、地図を描いているところです。自分の目標の一つはチャートの上位にヒップホップを送りこむことなんで、必要があれば黒さを消さない程度にポップな作品にするかもしれません。日本のヒップホップは、圧倒的にマイノリティーな音楽なんで、ヒップホップを聴かない人にも聴いてもらえるような工夫を今後どんどんしていきたいです。
—LBさんのようにヒップホップで生活していきたいというような想いはあります?
Otowa:自分は現状の音楽シーン、現状の立ち位置で「音楽だけで生活していこう」という考えは少しも持っていないです。自分は、ヒップホップで生活することよりは、ヒップホップに関わって、変えていくことのほうが目標です。チャートの上位にヒップホップを増やしていきたい。ただ、プライドを売って上位に食い込んでもそれは正解だと思えません。
あと、このシーンは土壌が緩すぎるし、入れ替わりもクソもない。しかも、この受け皿の大きさでは、もはや飽和状態だと思います。そのくせ自分達みたいなポッと出のアーティストのアルバムが話題になるし… ちょっと違和感を覚えますね。”Fresh Box(β)“に予想以上の反響があったということは、日本のヒップホップシーンが数年前からほとんど進化していなかったということをハッキリと露呈させてしまったのではないでしょうか。第一線で活躍されているアーティストの方々に、「現状維持は退化なり」という言葉を送りたいです。残念ながら、このシーンは現状維持をしてきたアーティストが多かったみたいです。これは自分達を含め全員の問題だと思います。「自分さえ良ければ」の精神を捨てて、みんなでシーンを盛り上げていきましょ。
あと、このシーンは土壌が緩すぎるし、入れ替わりもクソもない。しかも、この受け皿の大きさでは、もはや飽和状態だと思います。そのくせ自分達みたいなポッと出のアーティストのアルバムが話題になるし… ちょっと違和感を覚えますね。”Fresh Box(β)“に予想以上の反響があったということは、日本のヒップホップシーンが数年前からほとんど進化していなかったということをハッキリと露呈させてしまったのではないでしょうか。第一線で活躍されているアーティストの方々に、「現状維持は退化なり」という言葉を送りたいです。残念ながら、このシーンは現状維持をしてきたアーティストが多かったみたいです。これは自分達を含め全員の問題だと思います。「自分さえ良ければ」の精神を捨てて、みんなでシーンを盛り上げていきましょ。
—Otowaさん達の楽曲が”現状維持”から脱却して、新しさがあったからリスナーに受け入れられたってことでしょうか?
Otowa:そう思いたいです。すべてのアーティストが「”現状維持”しよう」なんて考えてはいないと思います。誰しも「新しいものを作りたい」と考えているでしょうし、それぞれの形でチャレンジしている。ただ皆が新しいことに挑戦している中で、同じようなレベルで新しさを追求していても、もはやそれは新しくもなんともないと思うんです。それが結果的には”現状維持”なんです。
—どういう部分に対して”現状維持”と感じるのでしょうか。
Otowa:決定的な要因のひとつはクリエイティビティやアイデアだと思います。たとえば、DABOさんの”デッパツ進行”とSIMONさんの”ZOO ROCK”は日本のシーンに新しい流行を生み出したフロア向けの素晴らしい楽曲であることは間違いないのですけども、自分の中ではこの二曲は感覚が違います。”デッパツ進行”には皆がフロアで踊れるようなフリまであって素晴らしい傑作だと思いますが、自分の中では新しくない。ライブだとすごく盛り上がっていましたし、もしかしたらリスナーを置いていかないために敢えてちょっと古臭い感じのキャッチーさを演出されているのかもしれないですけど、「けっこう昔Swizzがこんな曲作っていたな」と感じてしまったんです。(ライブも見させていただきましたが、すごい盛り上がりますし、リスナーを置いていかないためにあえてちょっと古臭い感じのキャッチーさを演出されたのでしたら自分の完璧な見当違いです。)しかし、”ZOO ROCK”はサウンド、フックの作り、ピッチ感、音色、USの流行を取り入れながらも他にはない新しさがある作品だと思います。この2曲は、フロアチューンであるという共通点の先に、制作者の目指すところの違いを明らかに感じました。自分は、なぜこういった挑戦やクリエイティブなアプローチを圧倒的に影響力のある方々がやらないで、若手が一生懸命やってるのか不思議でしょうがないんです。
Simon “Zoo Rock”
DABO “デッパツ進行”
Simon “Zoo Rock”
DABO “デッパツ進行”
—皆さん、いまの方向性に自信をもって次の構想を練られているみたいですが、「単にフリーのミックステープや有料の音源を出す」ということだけでは、それぞれの目標を達成することは難しいと思います。まず”いまより多くのリスナーに受け入れられるために”やる必要のあることって何だと考えているのでしょうか。
LB:他のアーティストとのコラボですね。LBとOtowaはまだまだ知名度は低いと思います。いままでの『HAPPY MONDAY EP』、”Fresh Box(β)“とフリーダウンロード曲関連はほぼこの3人でやってきたので、いま僕たちに求められているのは外部のアーティストのとのコラボだと思います。それに名前を知ってもらうには今の僕たちにとって一番手っ取り早い方法ではないかと思いますね。3人バラバラに動いて名前を拡散するという感じです。次の『HAPPY MONDAY vol.3』ではオールFeat曲で、アーティストも面白い人が参加してくれる予定です。
サムライ:私はバランスが大事だと思うんです。ハスラー系がいる反対側に爽やかでスタイリッシュなスタイルがあったり、ダークな作品の横に明るく派手なものがあったり。その多種多様な中からリスナーは自分にあったアーティストをチョイスすればいい。いまはほとんどの作品が似通っているから、一般の人の持つヒップホップのイメージが”暗い、恐い、閉鎖的”になってしまって、リスナーを限定してしまっている。もう少しバランスを良くしなければならない。そこで、LBさんと話していたのが「スタイリッシュに攻める」ということです。日本でもスタイリッシュな攻め方をしているラッパーはいますけど、その路線を崩さず、なおかつ普段あまりヒップホップを聴かない層にも向けてみようと。”Fresh Box(β)“は普段ヒップホップを聴かない人に向けた作品です。
一般層を狙うために、LBさんは意識して”ファック”等の汚い言葉を使用していませんし、ネガティブなリリックも控えています。そして、聴きやすくする為に1曲単位の長さを短く設定してます。一般層に焦点を狙いつつも、しっかりヘッズの耳も押さえれるアルバムを心がけたつもりです。他にも、”Fresh Box(β)“に対して私達はあえて”ミックステープ”という言葉を使っていません。当初、宣伝する時は”フリーダウンロードアルバム”と明記していましたが、それですら伝わらない可能性もあると考えて、最終的に”無料配信アルバム”と宣伝しました。一般層にもわかるように目線を落とす意識も大事だと思います。
一般層を狙うために、LBさんは意識して”ファック”等の汚い言葉を使用していませんし、ネガティブなリリックも控えています。そして、聴きやすくする為に1曲単位の長さを短く設定してます。一般層に焦点を狙いつつも、しっかりヘッズの耳も押さえれるアルバムを心がけたつもりです。他にも、”Fresh Box(β)“に対して私達はあえて”ミックステープ”という言葉を使っていません。当初、宣伝する時は”フリーダウンロードアルバム”と明記していましたが、それですら伝わらない可能性もあると考えて、最終的に”無料配信アルバム”と宣伝しました。一般層にもわかるように目線を落とす意識も大事だと思います。
—これからはアーティストとの絡みだけでなく、リスナーとの絡みもこれからは大事だと思うんですよ。Twitterみたいなツールのおかげで、アーティストとリスナーが同じ目線で絡むことの出来る機会が増えてきていますよね。
サムライ:アーティストとリスナーの間に一線はあって当然だと思いますけど、自分自身はアーティストという意識は微塵も無いですしどちらかというとリスナーに近い位置だと思っています。「自分たちの音源をアーティスティックにして、ブランド力をつけていく」という事よりも「リスナーと一緒に楽しむ」という意識の方が強いんです。どんな事をすればユーザーが喜ぶかを考えてそれに自分色を混ぜて届ける。
リスナーの目線を意識していれば、いまの時代に求められている表現を自然とキャッチ出来る気がします。いまはアーティストよりもヘッズの方が情報や時代に敏感だと思いますしヘッズのちょっとした発言にヒントがあったりする。それを上手く汲み取れないと生き残れないんじゃないでしょうか。自身のカリスマ性だけでリスナーを引っ張って行く時代はもう古い。だからこそ、KLOOZさんのKMDはジェラシーなんです。あれこそ音源だけでは物足りなくなったヘッズの気持ちをいち早く察知したコンテンツです。
リスナーの目線を意識していれば、いまの時代に求められている表現を自然とキャッチ出来る気がします。いまはアーティストよりもヘッズの方が情報や時代に敏感だと思いますしヘッズのちょっとした発言にヒントがあったりする。それを上手く汲み取れないと生き残れないんじゃないでしょうか。自身のカリスマ性だけでリスナーを引っ張って行く時代はもう古い。だからこそ、KLOOZさんのKMDはジェラシーなんです。あれこそ音源だけでは物足りなくなったヘッズの気持ちをいち早く察知したコンテンツです。
LB:自分もゲームをしてる感覚に近いですね。
「フレッシュなものをリスナーに提供したい」という気持ちで制作にあたっていますけど、トピックや遊びの部分に関してはリスナー目線で考えています。アーティストでありリスナーでもあると思っているので、上から目線ではなく下から上を見上げる感覚で曲を作る事が多いです。名前が売れない時期が長かったですし、いまよりもアーティストであるという意識は低くリスナー側にいました。今後どれだけのリスナーを巻き込めるかは解りませんけど、リスナーに近い立ち位置で活動続けて行きたい。リスナーの意見や反応を見てフットワーク軽く動くのはもちろんですけど、コンタクトの取り易いアーティストでいたいですね。
「フレッシュなものをリスナーに提供したい」という気持ちで制作にあたっていますけど、トピックや遊びの部分に関してはリスナー目線で考えています。アーティストでありリスナーでもあると思っているので、上から目線ではなく下から上を見上げる感覚で曲を作る事が多いです。名前が売れない時期が長かったですし、いまよりもアーティストであるという意識は低くリスナー側にいました。今後どれだけのリスナーを巻き込めるかは解りませんけど、リスナーに近い立ち位置で活動続けて行きたい。リスナーの意見や反応を見てフットワーク軽く動くのはもちろんですけど、コンタクトの取り易いアーティストでいたいですね。
—インターネットから発信される音楽にとって、”リスナーとアーティストの関わり”は非常に大事なものになってきていると思うんです。”送り手と受け手の近さ”という部分では、同人マンガが一番イメージが近いんですけど、一般層にはマイナーな漫画家でもコアなファンには絶大なプロップスがあって金を稼ぐことができている人もいます。
そういう意味では、”ヒップホップを一般に広めていく”ということと”ヒップホップで金を稼ぐ”ということは切り分けて考えたほうが立ち位置がクリアになるように思います。規模が小さくてもファンベースをしっかり押さえることができれば音楽で金を稼ぐことができるかもしれません。
そういう意味では、”ヒップホップを一般に広めていく”ということと”ヒップホップで金を稼ぐ”ということは切り分けて考えたほうが立ち位置がクリアになるように思います。規模が小さくてもファンベースをしっかり押さえることができれば音楽で金を稼ぐことができるかもしれません。
Otowa:自分は、”ヒップホップを一般に広めていく”ことの延長線に”ヒップホップで金を稼ぐ”ための土壌が成立すると思っています。日本には、”LBとOtowa”以外にも多くのアーティストがいて、一生懸命やってる方はたくさんいます。そういった方のためにも、ヒップホップをメジャーにしていきたい。
サムライ:Twitterには日本語ラップ好きのフォロワーがたくさんいるので、日本語ラップが盛り上がっている錯覚に陥ってしまうことがあるんですけど、ヒップホップ自体まだまだマイノリティなジャンルです。他ジャンルさえ取り込んでしまうサンプリングの力だったり、ラップに込められるメッセージ性や韻の面白さ、扱うトピックの広さ等を考えるとこんな面白いジャンルは他に無いのに、受け入れる人が少ないことが残念でなりません。
大多数の人に受け入れて貰うにはやはり日本語ラップを”洗練されていてカッコ良いもの”として感じて貰わなければなりませんし、その為にもスタイルをセルアウトせずトップチャートに食い込ませないといけないです。
大多数の人に受け入れて貰うにはやはり日本語ラップを”洗練されていてカッコ良いもの”として感じて貰わなければなりませんし、その為にもスタイルをセルアウトせずトップチャートに食い込ませないといけないです。
—「トップチャートにヒップホップを送りこむ」ってかなり困難な目標だと思うんですよね。正直あまり現実味がないというか、Twitterの狭いコミュニティの中だけでもファンベースが確立できれば上出来なのではないかとも思うんですが…。
LB:どうせ音楽やるなら有名になりたいし、誰にも負けたくない。あと、ヒップホップという音楽に可能性を感じているというのもありますね。
サムライ:自分は、世界に向けても恥ずかしくない音楽をやりたいっていう気持ちが強いです。やっぱりヒップホップはUSの音が世界の中心で回っていると思います。USサウンドが世界標準でありその基準をどう壊して新しい音を作るか?
同じアジアでも韓国は上手くやっていると思います。完全に音はUSですし見せ方もエンタメになっている。ああいうアウトプットをしない限り世界から認められる事は難しいのではないでしょうか。「USはUS、日本は日本の独自のヒップホップカルチャーがあるからそれでいい」って言うヘッズもいますが自分はそう思えない。USのアーティストに「JPの奴らはヤバい」と言わせたいです。
同じアジアでも韓国は上手くやっていると思います。完全に音はUSですし見せ方もエンタメになっている。ああいうアウトプットをしない限り世界から認められる事は難しいのではないでしょうか。「USはUS、日本は日本の独自のヒップホップカルチャーがあるからそれでいい」って言うヘッズもいますが自分はそう思えない。USのアーティストに「JPの奴らはヤバい」と言わせたいです。
—話は変わりますけど、フリーの音源でも上質なものが頻繁にリリースされるようになって最近は特に流行り廃りのサイクルが早くなってきています。”USの流行りを取り入れて新しい日本語のヒップホップを作っていく”というアプローチがLBさん達の特色でもあると思うんですけど、ハスラー系からSWAG系のように音楽のモードが変わってきたら、そこは自分達のつくるヒップホップの形も変えていくつもりですか?
サムライ:ヒップホップは進化する音楽なので、その時代のトレンドを上手く乗りこなしてアウトプットすることも一種のヒップホップのゲームだと思っています。自分の作るサウンドもその時々によって変化させてつもりです。ヒップホップはファッションと同じで、周りのトレンドに合わせつつ自分のカラーを出していくことが大事だと思います。ダサイのは着たくないしフレッシュな着こなしでモテる格好をしたいんです。
LB:自分は言葉を扱っているので、書けないトピックや合わないスタイルが流行であるならそこに乗っかるつもりはないですね。例えば、僕は屋根ある所で普通の生活が出来ているので、僕がハスリングをテーマにラップしてもリアリティがありません。そういう場合は流行に乗っかることができないですが、サムライさんが言うように音楽はファッションみたいなものだと捉えているので、どんどんトレンドを取り入れて変わっていきたいと思います。
—「トレンドを取り入れる」ということにも関連するんですけど、ITのおかげでコミュニケーションの線が昔に比べてすごく増えて、それこそアーティストとリスナーの主なコミュニケーションの場となっているのが、Twitterやブログであったり、MySpaceやMixiのコミュニティだったりします。そもそもTwitterやブログがあれば、ヒップホップのメディアなんか要らないという考え方もあると思うんですが、その辺に関して思うところを聞かせてもらいたいです。
サムライ:フレッシュなアーティストのインタビュー、速くて信頼性のおける記事、振り幅の大きなリコメンドをやってくれるメディアが出て来たら最強です。新聞みたいに、優良な記事が日替わりで更新されていたらヤバいですね。だけど、いまはヒップホップ自体に力が無くてお金が動かないから、必然的にメディアも少人数体制で運営するしかなくなる。そして振り幅の小さなメディアになってしまう。それが現状のような気がします。ヒップホップを発展させていくためにもアーティストにはメディアを大きくさせる義務もあると思っています。
LB:単純にヤバいものを「ヤバい」とプッシュ出来るメディアが欲しいですね。”取り上げられる”ということに何かの基準があるとするならは今のシーンはフェアではないような気がします。毎日ドロップされる楽曲の数に対してピックアップされるものがあまりにも少なすぎる。取り上げられるフレッシュな楽曲が増えればシーンの新陳代謝が高まって、更に面白いものになるんじゃないでしょうか。若手、ベテラン問わず毎日フレッシュな話題が飛び交い入れ替わるようなシーンが理想です。
Otowa:メディアとみなされる以上は影響力もあるし、シーンに対しての責任も伴っているわけで、アーティストをピックアップするんでしたら、リスナーが興味を持ってワクワクするものを取り上げる必要があると思うんです。切り捨てていく勇気というか残酷さも必要です。でないとこのシーンは前に進みません。
LB:あと、メディアに掲載されるという事は単純にアーティストのモチベーションにつながりますよね。僕たちもAmebreakやINNOCENT BOOKに掲載されるのは目標だったので、掲載された時は本当に嬉しかったです。
—皆さん、「正当な評価・動きをしているメディアが無い」という風に感じられているみたいですけど、インターネットから発信される若手の日本語ラップに限っていえば、単純にメディアの作り手に届いていないということも考えられますし、届いていたとしても若手の価値観にフィットできていないのかもしれません。
それが不満だと言うのであれば、自ら動かなければしょうがない。他者の評価が必要ならば、個人のブログやTwitterで代替できるものと思うんです。ある意味、メディアが無くても自分達の立場を確立できるような動きが必要だと思うのですが。
それが不満だと言うのであれば、自ら動かなければしょうがない。他者の評価が必要ならば、個人のブログやTwitterで代替できるものと思うんです。ある意味、メディアが無くても自分達の立場を確立できるような動きが必要だと思うのですが。
Otowa:その通りですね。自分達の魅力をメディア側に売り込んでいく姿勢も必要ですし、それこそTwitterのようなツールの活かしようによっては、メディアなしでもプロモーションが行えます。そう考えると、完全に自分達の努力不足ですね。自分達の動き方を考えるとまだまだ目立てていない現状もあります。メディアに対しての不満を言っている暇があるんなら、あらゆる可能性を考えて行動しろって感じですね。自分達の動き方は時代にあったものだと思っているので、時代を追えていないメディアには自分達を追わせてみせます!
サムライ:クラブでライブをして、YouTubeに動画をアップして、フリー音源を配信して、Twitterやネットで宣伝して、メディアや媒体に掲載されて、レーベル契約して、CDを販売して……というようなルーティンっていままでたくさんのアーティストが当たり前のようにしてきたことなんです。それを通過した先には必ず何かが待っているとアーティストは信じて目指しています。でも日本語ラップ自体の世間の見られ方ってずーっと昔から平行線のまま。冷めた言い方かもしれませんが、こういう動きを続けただけでは何も待ってないのは自分達より上の人を見ればわかります。結局小さな日本語ラップの村では有名にはなれても一般の人には絶対に届かない。『FRESH BOX(β)』をリリースして現時点で7,000ダウンロードいったみたいですけど、全くといって良いほど取り巻く状況は変わらない。革命を起こすには外に向けた刺激が絶対に必要なんです。例えば練馬ザファッカーさんが、TBS『リンカーン』に出演して、子供達がD.Oさんの「メーン」を真似したり、着ボイスになるような一般に向けた動きをしなければ絶対に現状は変わらない。そういう部分だと、Cherry Brownさんが”I’m 沢尻エリカ“や”Tamashio Yellow Yellow“を公開していますけど私からすると凄く可能性の感じる攻め方です。
Cherry Brown “I’m 沢尻エリカ”
Cherry Brown “Tamashio Yellow Yellow”
Cherry Brown “I’m 沢尻エリカ”
Cherry Brown “Tamashio Yellow Yellow”
—そういえば確かに”I’m 沢尻エリカ”はTwitterでも日本語ラップ畑以外の人に聴かれていた感じがしますね。村上隆も褒めていましたし。
サムライ:ヒップホップメディアでは無くて、それこそマスコミがネタにしそうな事をやっちゃうのが日本語ラップを知って貰う事に一番てっとり早いし、最大の貢献に繋がると思います。USのヒップホップってゴシップと連動して、マスコミが「誰と誰が付き合った」とか、「イベントをドタキャンした」とか、人を魅了するようなニュースを常に発信している。
いままで誰もやった事の無い一般層に向けた動きをしないと、ただの貧乏臭いアーティストで終わるような気がします。村の中から外に向けた動きはいま以上に意識していくつもりです。もしかしたら村自体から出るかもしれませんが…。
いままで誰もやった事の無い一般層に向けた動きをしないと、ただの貧乏臭いアーティストで終わるような気がします。村の中から外に向けた動きはいま以上に意識していくつもりです。もしかしたら村自体から出るかもしれませんが…。
Otowa:「他者の評価が必要だ」という考えは持っています。信頼のおけるメディアからの評価って自分はやはりすごくうれしいですし、次の作品へのモチベーションにもつながります。個人のブログやTwitterでも評価を得ることができますが、身内同士での褒め合いになってしまったら、それこそ自分達の動きをシーンに還元できないし、自己満足で時間だけがただ過ぎてしまうと思うんです。そんな中で、少なくとも今回は、JPRAP.COM、Amebreak、InnocentBookの3カ所のメディアで取り上げられたことが、一つ自分の中ではステップアップとも感じています。
LB:ブログのプロモーションはいまの僕にとって「やる意味があるのか?」と疑問を持つラインのものです。Twitterもフォロワーが少なければ意味がない。JPRAP.COM、Amebreak、InnocentBookに掲載されてからはフォロワーが増えましたし、ブログの閲覧数も以前より上がっています。そういった意味でも、他者の評価は必要だと僕は思いますね。いまや”フリーダウンロード”はネット上に溢れてますから、肯定的でも否定的でも客観的な意見が欲しいです。レビューがあるか無いかで曲のダウンロード数は変わります。
—失礼かもしれませんけど、小さい規模であれば自分の好きなことをやり続けることのできることが当たり前になった時代で、皆さんのような若いアーティストが、「常にトレンドを意識してシーンを活性化させる」とか、「トップチャートに日本語ラップを送りこみたい」とか、「一般のメディアに認められるよう動きをしていく」というような大きな目標を持っていることが意外でした。そういった目標を達成していくために、今後どういう活動をしていく予定ですか?
LB:『FRESH BOX pt.2』と『HAPPY MONDAY vol.3』を作っていく予定です。『FRESH BOX pt.2』は、LBとOtowa、サムライコスメチックのいままでの人脈を上手く使った作品になると思います。まだ確定していない部分が多いですけど、”Fresh Box(β)“を超えるのは間違いないです。
あと、これからはただラップするだけでなく色々挑戦していきたいと思っています。その挑戦の一つがDr.PAPの企画ですね。いまはDR.PAPのキャラクターにラップをさせています。ケバブ好きのDr.PAP率いるヒップホップグループ”K-BAB”の制作に関わっています。K-BABに限らずDr.PAPが上手く回れば日本のヒップホップは更に面白くなると思うんです。まだ参加アーティストは少ないですが、CCライセンスを表記するだけでDr.PAPに参加している憧れのアーティストをフィーチャー出来るわけですから夢がありますよね。
K-BAB “ケバブ☆LOVE”
あと、これからはただラップするだけでなく色々挑戦していきたいと思っています。その挑戦の一つがDr.PAPの企画ですね。いまはDR.PAPのキャラクターにラップをさせています。ケバブ好きのDr.PAP率いるヒップホップグループ”K-BAB”の制作に関わっています。K-BABに限らずDr.PAPが上手く回れば日本のヒップホップは更に面白くなると思うんです。まだ参加アーティストは少ないですが、CCライセンスを表記するだけでDr.PAPに参加している憧れのアーティストをフィーチャー出来るわけですから夢がありますよね。
K-BAB “ケバブ☆LOVE”
サムライ:私は”LBとOtowa”のサポートに回ります。2人には音楽制作に専念して貰う為に私が主に動画制作やTwitterでの宣伝活動、リスナーへのアナウンスをしてきました。そういった活動を今後も続けていこうと思います。YouTubeチャンネルを使ったサムライコスメチックちゃんねるもそのひとつです。
あとは”LBとOtowa”のプロモーション目的で利用していたTwitterをつかっていくうちに若くて才能のあるラッパー、トラックメイカーと知り合えているので彼らも同じ様にプッシュしていきたいです。全く無名だった”LBとOtowa”がクチコミという地味な活動でここまで広まったのを目の当たりに見てますから、同じ様に芽の出掛かっている有望なアーティストを後押ししていきたいです。
あとは”LBとOtowa”のプロモーション目的で利用していたTwitterをつかっていくうちに若くて才能のあるラッパー、トラックメイカーと知り合えているので彼らも同じ様にプッシュしていきたいです。全く無名だった”LBとOtowa”がクチコミという地味な活動でここまで広まったのを目の当たりに見てますから、同じ様に芽の出掛かっている有望なアーティストを後押ししていきたいです。
Otowa:まずは、『FRESH BOX pt.2』の制作ですね。この作品は”Fresh Box(β)“のイメージを良い意味で壊して、自分達の挑戦に賛否両論、議論してもらえるような作品にしていきたいです。
頑張ってお金をためてUSのラッパーのヴァースを買ってコラボ作品も作りたいですし、ウガンダの子供たちに募金もしたいしやりたいことだらけです。志は高く大きくです。
頑張ってお金をためてUSのラッパーのヴァースを買ってコラボ作品も作りたいですし、ウガンダの子供たちに募金もしたいしやりたいことだらけです。志は高く大きくです。
LB:世に出ていない物も多数ありますが、制作したものの中から選んで配信出来るようになったのは大きいです。この環境を利用してとりあえず今まで出来なかったことを実験的に形にしてみて、フレッシュなものをどんどん世に出して行きたいですね。去年以上に音楽で遊んで、動きを止めないことを心がけたいです。
サムライ:Twitterを経由して日本語ラップのヘビーリスナーの方々とも多く繋がる事も出来ました。現状、世間に対して日本語ラップを聴いてるって事を堂々と言えない人も多いと思います。それを打開する為にもフレッシュで、洗練された音源を制作しなければいけないし”LBとOtowa”にはその義務があります。とりあえずはこのチームでハイクオリティな音を制作して、それを一般層に届けるようなアプローチをかけていきたいですね。


